法人向けエックスサーバービジネスと個人向けエックスサーバーの違い

2018年5月、個人向けレンタルサーバーとして人気のあるエックスサーバーが、法人向けに特化したレンタルサーバー「エックスサーバービジネス」を開始しました。

サーバーのパフォーマンス・安定性に評判の高いエックスサーバーが、さらなる安定性、セキュリティ（WAF、セコムセキュリティ診断など）、技術サポート（移管代行、設定代行など）を充実させたのが「エックスサーバービジネス」です。

このページでは、エックスサーバービジネスと、法人でも利用可能だったエックスサーバーとの違いを解説します。

エックスサーバーとエックスサーバービジネスの違い

エックスサーバーとエックスサーバービジネスの基本的なスペック・特徴は、おおまかにはすでにご存じかと思いますので、その違いに焦点を当てて解説いたします。

企業認証SSL・EVSSL

Webサイトで「企業認証SSL」や「EVSSL」が利用できるかどうかが違います。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
企業認証SSL	利用できない	利用可（オプション）
EVSSL	利用できない	利用可（オプション）

エックスサーバーでは利用できませんが、エックスサーバービジネスでは利用できます。（オプション。別途費用。）

「企業認証SSL」「EV SSL」は「無料独自SSL」と何が違うかというと、「厳格な審査があること」です。

「企業認証SSL」と「EV SSL」はそもそも法人でないと申請することができませんし、取得する過程でも、本人確認や企業の法的な実在証明や物理的な実在証明などの厳格な審査が実施されるので、非常に信頼性の高い証明となります。

有料のオプションではありますが、法人向けサービスであるエックスサーバービジネスでは、この2つの独自SSLも利用することが可能です。

セコムセキュリティ診断

エックスサーバービジネスの設備は「セコムセキュリティ診断」を受けています。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
セコムセキュリティ診断	なし	あり

「セコムセキュリティ診断」は、セコムトラストシステムズという会社が提供しているネットワーク脆弱性チェック診断のサービス（価格：15万円～）です。

インターネットからアクセス可能なサーバーやネットワーク機器に対して、セキュリティホールなどが無いかチェックする、という内容で、エックスサーバービジネスの設備は、この診断を定期的に受けることになります。

この「セコムセキュリティ診断」はエックスサーバービジネスの設備全体で実施されるものであり、利用者の設備個別に診断されるわけではありません。（そのため、「設定欄」等はありません）

Web改ざん検知設定

エックスサーバービジネスでは「Web改ざん検知設定」を利用することができます。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
Web改ざん検知設定	なし	あり（1サイト30ページ）

「Web改ざん検知設定」はセキュアコア社のWeb改ざん検知サービスを利用し、Webサイトの改ざんやマルウェア等を検知してくれる機能です。

サイトを1つ設定しておくとを毎日自動巡回・診断して、Webサイトの改ざんやマルウェア等が確認されたときは、すぐにメール通知をしてくれます。

サーバーパネルの管理者ユーザー設定

エックスサーバービジネスでは、各種サーバー設定を行なう「サーバーパネル」に、ユーザー毎の権限設定を行なうことができます。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
管理者ユーザー設定	なし	あり

設定できるユーザー権限は「管理者」「サイト管理者」「メール管理者」の３種類です。

権限ごとに利用可能な機能は、以下の通りです。（クリックすると画像が拡大できます。）

• ※1 簡単インストール機能において、作成済みのデータベースを利用することはできません。
• ※2 WordPress簡単インストール機能において、作成済みのデータベースを利用することはできません。
• ※3 サブFTPアカウント一覧には、操作許可されたドメイン名に紐づくアカウントのみ表示されます。
  接続先ディレクトリにサブFTPアカウントのドメイン名以下が設定されていない場合は、WebFTPへログインするためのリンクが表示されません。
  サブFTPアカウントを追加・変更する際、接続先ディレクトリにはサブFTPアカウントのドメイン名以下を設定する必要があります。
  FTP制限設定で、設定対象に「サーバーアカウント全体」は選択できません。
• ※4 MySQL一覧には、操作許可されたドメイン名に紐づくデータベース(簡単インストール機能で自動生成されたデータベース)のみ表示されます。
  表示されているデータベースに対してのみ、バックアップおよび復元を実行することができます。
  MySQLの新規追加はできません。
• ※5 ドメイン設定一覧には、操作許可されているドメイン名のみ表示されます。
  ドメイン名の新規追加、および、作成済みドメイン名の削除はできません。
  動作確認URL設定一覧には、操作許可されているドメイン名のサイトのみ表示されます。
• ※6 メールアカウント一覧には、操作許可されているドメイン名に紐づくアカウントのみ表示されます。

サイト引っ越し作業代行

エックスサーバービジネスでは、Webサイトの移転作業作業を、契約後１回に限り無料で代行してくれます。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
サイト引っ越し作業代行	有料 1件30,000円（税別）	1件目無料 2件目以降は1件15,000円（税別）

運用中のレンタルサーバーからのWebサイト移転作業を代行してくれます。（WordPressの移転も対応）

エックスサーバービジネスは1件が無料、2件目以降は1件15,000円で代行してくれます。

エックスサーバーでも作業代行自体は依頼可能です。料金は1件30,000円になっています。

作業納期は5営業日（目安）です。

設定代行サービス

エックスサーバービジネスでは、サーバーパネルで提供されている設定作業を無料で代行してくれます。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
設定代行サービス	有料	B10：月3回まで無料 B20/B30：月5回まで無料

エックスサーバービジネスの設定代行サービスに含まれる無料代行内容は以下のとおりです。（クリックすると画像が拡大できます）

エックスサーバーでも設定代行サービス（有料）はあります。（クリックすると画像が拡大できます）

永久無料ドメイン

「永久無料ドメイン」とは、エックスサーバー、エックスサーバービジネスとも契約期間中、対象となるドメイン1つが無料（新規取得、移管、更新）となるサービスです

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
永久無料ドメイン	x10：なし x20：あり x30：あり	あり

この「永久無料ドメイン」のポイントは、対象となるドメインです。

エックスサーバービジネスの場合、全プランで.co.jp / .or.jp / .ne.jp / .gr.jp が対象となります。

エックスサーバーでもx20、x30のプランなら「ドメイン永久無料」はありますが、「.co.jp」が対象となるのはx30プランだけです。

コーポレートHP無料制作

エックスサーバービジネスでは、ホームページを1サイト無料で制作してくれます。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
ホームページ無料制作サービス	なし	あり

「ホームページ無料制作サービス」は無料でコーポレートサイト（WordPress）を作成してくれるサービスで、写真素材は「PIXTA」の高品質画像素材を1枚無料で利用できます。

SLA（品質保証制度）

エックスサーバービジネスでは、稼働率99.99%を下回った場合に料金返金のSLAがあります。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
SLA（品質保証制度）	なし	あり

エックスサーバー、エックスサーバービジネスとも、サーバーの稼働率は99.99%以上であることを謳っております。

エックスサーバービジネスでは、その稼働率が99.99%未満になった場合に料金を返金するSLA保証がつきました。

その内容は、エックスサーバービジネス全プランを対象に、Webサーバー、メールサーバーの月間稼働率が99.99%を割った場合に、所定の返金率にもとづいて料金を返金する、というものです。

保証の基準と返金率は以下のとおりです。

サーバーの稼働率はサーバーパネルで確認できます。

稼働率が99.99%未満だった場合、返金を受けるにはメールで申請する必要があります。

申請はサービス停止発生月の翌月末日まで行なう必要があります。

料金

エックスサーバーとエックスサーバービジネスの料金の違いを比較表にまとめました。

項目	エックスサーバー	エックスサーバービジネス
初期費用	3,000円	15,000円
月額費用 12ヵ月契約	x10：1,000円 x20：2,000円 x30：4,000円	b10：3,800円 b20：7,600円 b30：11,400円
co.jpドメイン費用（年額） エックスドメインの料金	x10：3,760円 x20：3,760円 x30：無料	無料

エックスサーバーx10とエックスサーバービジネスb10の料金の違い比較

エックスサーバーとエックスサーバービジネスの料金の違いということで、企業がよく利用するco.jpドメインを利用した場合の料金比較を行なってみます。

項目	エックスサーバー（x10）	エックスサーバービジネス（b10）
初期費用	3,000円	15,000円
月額費用 12ヵ月契約	1,000円	3,800円
co.jpドメイン費用	1,000円	3,800円
1年目合計	18,760円	60,600円
2年目以降合計	15,760円	45,600円

エックスサーバーx10とエックスサーバービジネスb10の料金差は実は年間で

1年目：41,840円
2年目以降：29,840円

です。

初年度は初期費用があるので4万円以上ですが、2年目からは29,840円になります。

この差額を負担すれば、

・セキュリティが強化されており、
・企業認証SSL・EVSSLが利用可能で、
・サイト移転・HP制作無料、
・毎月3回の設定代行

を享受できる、ということになります。

エックスサーバーとエックスサーバービジネスの違いは以上です。

エックスサーバーとエックスサーバービジネスの共通スペック・仕様（見落としがちな項目）

次に、違いではないのですが、公式サイトで見落としがちなスペック・仕様をまとめました。
どれもサポートページ等をくまなく探せば記載されている内容です。

• 無料お試し期間中はメール機能・設定代行は使えません。
• 無料独自SSL「Let’s Encrypt」の証明書は自動更新（エックスサーバーが更新してくれる）です。
• 無料独自SSLを利用しているサイトも無停止で引っ越し可能
• SSL証明書の持ち込み、持ち出しはできません。
• WAF、Dos/DDos対策は標準
• 転送量150GB/一日（x10、b10）
• MySQLデータベース1つあたりの容量制限は2GBです（目安）。
• PostgreSQLは利用できません。
• 自動バックアップ（Web・メール：7日間、MySQL：14日間）
• 自動バックアップデータはダウンロードもできるし、直接復元（本番データへ上書き）もできます。
• 自動バックアップのデータを受け取るのは全て無料
• メールボックスの容量は各メールアカウント毎に1MB～5000MBの間で設定可能です。
• メール送信数には、1,500通/時間、15,000通/日という制限があります。
• メールは1通あたり送信100MB、受信は無制限
• SMTPサブミッションポート（587番）は標準で使えます。
• 迷惑メール対策ソフトウェアは「SpamAssassin （スパムアサシン）」です。
• DKIM認証は利用できません。
• 電話サポートあり（平日10:00～18:00）
• 請求書は発行可能（PDFダウンロード、書面は別途200円）
• 領収書の発行はできない
• 「エックスサーバー」でも設定代行は可能（ただし有料）

エックスサーバー（x10）とエックスサーバービジネス（b10）の基本スペック比較表

エックスサーバーのおすすめプラン「x10」とエックスサーバービジネスのおすすめプラン「b10」の主な仕様とその違いです。

プラン	エックスサーバーx10	エックスサーバービジネスb10
初期費用	3,000円	15,000円
月額（12ヵ月契約）	1,000円	3,800円
無料お試し期間	10日間	10日間
ディスク容量（SSD）	200GB（RAID10）	200GB（RAID10）
データベース（MySQL）	無制限	無制限
転送量（目安）	150GB/日	150GB/日
マルチドメイン	無制限	無制限
無料独自SSL	あり	あり
企業認証SSL・EV SSL	なし	オプション
WAF	あり	あり
Web改ざん検知設定	なし	あり
Dos/DDos対策	あり	あり
セコムセキュリティ診断	なし	あり
自動バックアップ	毎日	毎日
電話サポート	あり	あり
メールサポート （24時間以内対応）	あり	あり
設定代行	なし	3回/月
プレゼントドメイン	なし	.co.jp、.or.jp、.orgなど、更新も無料
管理者ユーザー設定	なし	あり
HP無料制作	なし	あり

＜まとめ＞エックスサーバーとエックスサーバービジネスの違い

17年以上の運営実績を持ち、国内シェアNo1で180万以上のサイトが運営されている高スペック・安定した「エックスサーバー」の設備・運営者の知見を享受しつつ、さらに法人向けのニーズに応えるべくセキュリティを強化し、サポートを充実させたのがエックスサーバービジネスです。